岐阜県の関市というところが、私の一族が代々住み慣れた地である。
一応、田畑があり、農業を営んできた。
ご先祖は、有事の時には、岩村城に駆け付け、女城主のために末端の足軽として、一生懸命に命を投げ出す覚悟で、尽くしていたであろうと思う。
そんなことは、どうでもいい。
なぜ、こんなに凡庸な一族が、呪われているかのように短命なのだろう。
私の父は、53歳の夏に末期の胃がんで他界した。
父の姉は、30代でやはり胃がんで他界、もう一人の姉も40代ですい臓がん、その他に子宮がん、大腸がん等で次々と倒れ、父方の12人兄弟姉妹のうち、9名ががんに倒れた。
「君の家系は明らかにがん家系だから、君も30代までは、年2回、40代からも最低年1回は胃カメラの検査を受けるべきだね。」
かかり付けの消化器内科の医師にも、滾々と言われていた。
その医師までもその2年後に、がんで亡くなって、そのクリニックは経営者が変わった。
まあ、これは関係ないが。
家系的に、がんになりやすいというのは、体質的に遺伝子的にという意味の他に、臓器の形が似ていることも原因の一つだそうだ。
つまり、顔や体形が似ていることと同じように、がんになりやすい胃の形があるそうだ。
ところで、母方はどうであろうか。
今年79歳になる母が末っ子の4姉妹である。
全員元気である。
しかし、旦那さんはすべて早くに亡くなっている。
つまり、全員後家さんなのである。
短命の父方、夫が短命の母方、その家系の交差点にいる私はどうすればいいのだろうか。