もう30年以上前になるが、ヨーロッパからアフリカまで一カ月ほど旅をしたことがある。
10カ国以上訪れて、国の文化、価値観、国民性などにおいて、感動の連続だった。
特にアフリカは…。
エジプトのカイロからルクソールにエジプト航空の便を利用することにした。
というよりは、他に選択肢は無かった。
ただ、エジプト航空は業界では、【空飛ぶ棺桶】と呼ばれているぐらい事故率が高いそうだ。
怖いもの見たさのレベルをこえていたが…。
いつまでたっても、飛行機に搭乗できなかった。
最初は、エンジントラブル、次がタイヤのパンク。
8時間待たされたが、結局、払い戻しになり、ルクソールはあきらめた。
あとで耳にしたのだか、搭乗予定だった機は、少し前に、車輪の故障で胴体着陸をしそうになったそうである。
また、その数日後、観光予定だったところで銃の乱射事件があって、死亡者が多くでたそうである。
アムステルダムにもどることにした。
エジプト航空で。
気が進まなかったが…。
搭乗するときに機体を見て震え上がった。
ペンキで塗り替えられていて、うっすらではあるが、他社のデザインが見える。
他の航空会社から、使い物にならなくなった機を引き取って、修理して使っているというのは本当だった。
機内も酷かった。
内装がはげてたり、テーブルが床まで落ちたり、座席を床に固定しているはずのボルトが、無かったり。
まだ、棺桶には入りたくない。