喫茶店で六年間バイトしていた。
ウエイターを主に担当していたが、人手不足のために厨房に入った。
はじめて入る場所でワクワクドキドキしていたら、はじめてキャベツの千切りにチャレンジすることになった。
もともと小器用なので見よう見まねでそこそこの作品に仕上がった。
ちょうしこいてると、お約束どおり、左手の指の肉が鮮血とともに剥がれ落ちた。
目の前には赤キャベツが大量にできた。
すみません。マスター。
キャベツを台無しにしてしまいました~。
いいよ。
鉄分補給されたよ。
ランチに使おう。
お~い。
この指じゃ千切り続けられませんね。
マスターが私の指に引き出しから出してきた物を塗ってくれた。
プラモ用セメダイン。
これで大丈夫。
つづけて。
お~い、お~い。