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First murderous intention はじめての殺意

今年は、親父の二十七回忌になる。

親父の墓に手を合わせるたびに、悔しさがぶり返してくる。

そのことがあって、無意識に墓前に立つことを避けているかもしれない。

26年前、岐阜県各務原市にある石材店を訪れた。

養老町に本店がある◯◯石材店。

今回、支店を出したらしい。

当時、各務原市に住んでいたので、新聞の折込チラシで知ったのだった。

店長さんが対応してくれて、話が弾んで、とても良い条件で、墓石と土台と囲いと付属品の見積もり書を作成してくれた。

帰宅して、母にそれを見せたら、とても気に入って、涙ぐんでいた。

数日後、契約を済ませて、工事費を一括で支払った。

そして、間もなく工事がはじまり、一週間ほどで出来上がった。

早速、魂を墓に入れてもらう儀式も済ませた。

そんな時に、電話がかかってきた。

石材店の社長の横◯からだ。

工事費が不足だということで、さらに金を出せというものだった。

契約書もあり、支払いも済ませていることを言っても、

「俺は認めていない」の一点張りだった。

店長さんと話させて欲しいと言ったら、すでに解雇したという。

すべてが終わっていることなので、お金は払えないと言ったら、

「覚悟しておけ」という捨て台詞が帰ってきた。

数日後、深夜に、父の墓は破壊されていた。

涙も出なかった。

生まれて初めて、「殺意」を抱いた。

警察に被害届けを出しても、ほとんど取り合ってくれない。

弁護士に相談に行って、告訴したが、裁判官は不起訴にした。

それなら、民事訴訟だと思ったが、母がもうあきらめて、墓をはやく綺麗に直してあげたいと泣いていた。

くやしかった。

世の中ってこんなに理不尽だったなんて。

思い知らされただけだった。

二年ぶりに綺麗にもどした。

母はとても喜んだ。

これでいい。

後日、その石材店は潰れて、跡形もなく店は消えていた。

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POSTED COMMENT

  1. ココママ より:

    天罰が下ったというか
    自業自得ですね

    • entaka より:

      絶対このような仕事をしてはいけないひとですね。金儲けしか考えられないような。人の気持ちはわからないみたいでした。

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