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「Creeping death 3」忍び寄る死 参

大声をあげて、目を覚ますことがある。

その夢を覚えている時と、そうでないときがある。

きっとあれがトラウマになっているのだろう。

13歳のとき、水田に水がいっぱいのころなので6月ごろ。

部活帰りに、突然うしろから自転車ごとバイクに跳ねられた。

何が起こったかわからなかった。

気づいたら、水田わきの水路に倒れていた。

もうあたりは薄暗くて、顔は見えなかったが、ヘルメットをかぶった男であることはわかった。

頭をわし掴みされて、水路の水底まで沈められた。

水底の泥の中で、生まれて初めて死を覚悟した。

一瞬、男の手の力が弱くなった感じがした。

僕の中で何かスイッチが入った。

こんなところで絶対に死ねない。

手を振りほどき、逃げた。

水田のあぜ道を必死で。

男はバイクで追っかけて来た。

どれぐらいの時間が経ったかわからない。

あたりは全く民家のないところだったので、

どこに身を隠したかも覚えていない。

ただ、全身泥だらけの自分が悔しかった。

バイクのナンバーを確認しなければと思った。

男があきらめて、去る時に確認できた。

後日、犯人が逮捕された。

自衛隊員で、むしゃくしゃした気持ちを晴らすためにだれでも良かったそうだ。

犯人の年老いた母親が土下座して詫びている姿を覚えている。

41年経った。

今朝も…。

悪夢はつづく。

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